下弦の月が照らし出した温室は、まるでそこだけポッカリとくり貫かれた様に丸く浮かび上がった。

漏れた明かりを頼りに温室に近寄ってくる誰かの気配に、ユミはハッと顔を挙げると息を飲んだ。

誰かが扉の前に居るのは分かる。けれど、ノックをする訳でも入ってくる様子も無い。

何だかそれが怖くなったユミは、出来るだけ音を立てないように立ち上がると、

腕を伸ばして温室の電気を消した。中が見えなければその隙に逃げられるかもしれない。

そう考えての事だったけれど、よくよく考えると自分も鳥目だったことを思い出して、

それは逆効果だった事に気付いた。しまった何も見えない。

それどころか、ドアがゆっくりと軋み始めたではないか。

気配はするのに声を掛けてくる様子も無いのがどれほどの恐怖か分かるだろうか?

誰だか分からない。おまけに暗い。こんな事なら電気を消したりするんじゃなかった。

ユミは酷く後悔しつつ、声を掛けるべきかどうか迷っていた。

恐怖のあまりセイが置いていったチョコレートを握り締めていたせいで、銀紙の中で柔らかくなっている。

その時だった。ユミが意を決して地面に這いつくばってドアの隙間から飛び出そうとした正にその時。

突然温室の電気がパッとついたのだ。驚いたユミはその場から立ち上がる事も逃げる事も出来ず、

ただ情けなく地面に這い蹲ったまま、頭を抱えて地面におでこをこすりつけるしかなくて。

「・・・祐巳・・・一体何やってるの、あなた・・・」

「・・・は?」

聞き覚えのある声にユミがハッと顔を挙げると、そこに立っていたのは他の誰でもない。

あの日ここで別れたサチコだったのだ。

ユミは咄嗟に持っていたチョコレートをポケットの中にサッと隠すと、慌てて立ち上がろうとした。

けれど、足が、腰がいう事を聞いてくれない。きっと自分で思っていたよりもずっと怖かったのだろう。

安心した拍子に膝がガクガクと震え出した。そして何故か漏れる笑い。

「は・・・あはは・・・何だ、おねえ・・・いえ、祥子さまだったんですね・・・私、てっきり・・・」

お姉さま。ついうっかりそう言ってしまいそうになって、慌ててサチコサマと言い換えた。

けれどサチコはそれについては何も言ってはこなかった。

もう・・・自分が居ないことにも慣れてしまったのだろうか。そんな疑問が心を過ぎる。

そしてそう思った途端に溢れてくるから涙というのは不思議だ。

自分から別れを言い出したのに、勝手すぎるのも分かっている。あれだけ悩んで出した結果。

どちらかを選べと言うサチコに、ユミはセイを選んだ。

その瞬間から自分たちのロザリオで繋がれた脆い関係など終わりを告げることなど、

分かっていたというのにこの二ヶ月、それを酷く後悔していた。

セイを選んだのは今でも後悔してなどいない。

けれど、本当にサチコと姉妹を解消するしか選択肢は無かったのだろうか?

いくら時間が掛かっても、喧嘩をしても決して離しちゃいけなかったんじゃないだろうか?

そんな考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えてゆく。それほどユミにとってサチコもセイも大事だった。

ちゃんと説明をして分かってもらえば良かった・・・。そんな想いが胸を締め付ける。

そんなユミを見て、それまでずっと戸惑っていたサチコがそっとユミに手を差し延べて言った。

「ほら、早く立ちなさい。地面に這い蹲って笑い出したかと思ったら今度は突然泣き出して。

・・・本当に、聖さまの言った通り忙しい子ね・・・相変わらず」

相変わらず・・・そんな言葉が酷く嬉しかった。

「ありがとう・・・ございます・・・」

優しい響きを含んだサチコの言葉に、ユミはまた泣き出しそうになるのをグッと堪えると、

そっとサチコの手を取り立ち上がった。久しぶりに触れたサチコの手は暖かくて安心する。

セイに感じる安心感とはまた違う。姉妹としての・・・安心感だった。

ユミは立ち上がってサチコにゆっくりとお辞儀をして温室を出て行こうとしたけれど、

出て行こうとしたユミの腕をサチコが掴んだ。

「祐巳!私・・・あなたに話があってここへ来たのよ」

サチコの声にさっきの優しさはもう含まれてはいなかった。ただ焦ったような、そんな不思議な響きがする。

ユミは立ち止まりゆっくりと首を傾げサチコを見上げた。今更話しなど何も無い。

もう自分はロザリオを返してサチコの妹ではなくなったのだから。いつまでも首を傾げているユミを見て、

サチコは業を煮やしたように手招きして躊躇うユミの手を引いた。そして・・・あの場所に座らせる。

「一つ・・・聞いてもいいかしら?」

「はい」

「どうしてあの日・・・お姉さまを呼んだの?」

「それは・・・」

あの日、サチコと姉妹を解消してからすぐに、ユミはヨウコに連絡をした。

公衆電話から泣きながら早口で捲し立て、よく事情も説明せずにヨウコを呼んだ。

自分が傷つくよりも、サチコが自分の事で傷つくのは嫌だったのだ。

けれどサチコの性格上きっと誰にも相談などせずに一人で塞ぎこんでしまうに決まってる。

サチコのお婆さまが亡くなった時もそうだった。サチコは一人で塞ぎ込んでしまったではないか。

あの時はユミがサチコの傍に居たけれど、今度はそうはいかなかった。だからヨウコを呼んだのだ。

誰よりもサチコの事を大切にしてくれている人だから・・・それが分かっていたから。

悔しいけれど、仕方なかった。ヨウコに任せるしかなくて・・・。

ユミは俯くとギュっと握った拳に力を入れると言った。

「あの時は・・・祥子さまには蓉子さまが必要だと・・・思ったからです」

ユミの言葉にサチコは頷いた。そしてゆっくりとユミの隣に腰を下ろし大きなため息交じりに笑う。

「そうね。確かに祐巳がお姉さまを呼んでくれなかったら、今私はきっとここには居ないでしょうね」

サチコはそれだけ言って、膝の上で握って震えるユミの手にそっと自分の手を重ねた。

その途端ユミの体が大きく震える。怖かった。次の言葉を待つのが怖かったのは、これが三度目。

サチコの手は優しくて暖かいのに、何故か怖くて仕方なかったのだ。

でも・・・次の瞬間ユミは強く・・・サチコに抱きしめられていて・・・。

「おねっ・・・祥子さま!?」

「お姉さまと・・・呼んでちょうだい。今まで通りに・・・」

「で・・・でも・・・」

ユミはサチコに抱きしめられたまま行き場の無い手を握っていた。サチコの言葉の意味が分からなくて、

また涙が溢れてくる。サチコは今、何て言った?まだお姉さまと呼んでもいいと・・・そう言った?

望んでもない結果に、ユミは息をする事が出来なくて・・・。

どれぐらいサチコにそうやって抱きしめられていたのだろう。ようやくユミの涙が止まった頃、

サチコはユミをゆっくりと離し、頬を優しく撫でてくれた。

頬を流れる一筋の涙の後を伝ったのかも・・・しれない。

「祐巳、聞いてちょうだい。私ね、今までずっと祐巳に甘えてばかりいて、

心のどこかで祐巳にはずっと私だけの祐巳で居て欲しくて・・・誰のものにもなって欲しくなくて・・・。

そんな勝手な願いをいつの間にか抱いてしまっていたの・・・。あの日、お姉さまにね、全てを話したの。

そして思い出したのよ。どうして私が祐巳を妹にしたのかを。

・・・私・・・そんな事もすっかり忘れていたのよ。幸せすぎて、どんどん欲張りになって・・・」

サチコはそこまで言って小さく鼻を鳴らした。思わずユミはポケットに手を入れてハンカチを探したけれど、

その指先に当たったのはセイのチョコレートで・・・。

ユミはそれをギュっと握ると、その隣にあったハンカチを取り出しサチコに手渡した。

サチコは一瞬そのハンカチを見て小さな笑みを漏らしたけれど、

次の瞬間にはユミよりも大きな涙を流し始めた。サチコに貰ったSと刺繍の入ったハンカチ。

これを手放した事など、ただの一度も無い。

「まだ・・・持ってたのね・・・ふふ、何だか甘い香りがするわ」

「あ・・・当たり前です!だって・・・これは、おね・・・さまがくれた・・・ハンカチですから・・・」

思い切ってお姉さまと呼んでみた。するとどうだろう。

今まで心につかえていたものがほんの少し解けてゆく。

ポケットの中のチョコレートがユミに勇気をくれたのかもしれない。

セイの言った通り、自分は一人じゃない。そんな風に今は素直に思える。

「祐巳は・・・聖さまと居ると本当に幸せそうな顔していたのを、本当は私・・・ずっと知ってたのよ。

でも、それを認める事が出来なくて。だから聖さまにも随分酷い事を言ってしまって・・・。

祐巳にも・・・辛い想いばかりさせてしまったわ。これじゃあ姉なんて失格よね。

だから祐巳・・・私の事はもう気にしないで、聖さまにちゃんと・・・想いを伝えてらっしゃい」

サチコはチョコレートの匂いがするハンカチで涙を拭きながら、その甘い匂いに少し笑う。

これも・・・チョコレートの効果なのだろうか?それとも・・・セイの?

それは分からない。ただ言えるのは、少なくともサチコはユミに歩み寄ろうとしてくれている事。

これ以上・・・離れる事は無い・・・と、そういう・・・事。

サチコがどんな想いでユミにそんな風に言ってくれてるのかなんて、ユミには分からない。

きっとまだ整理なんてついてないと思う。そんな簡単に整理がつくような感情ではなかったはず。

そして自分たちの関係もそれほど簡単な関係ではなかった。少なくともユミはそう・・・思っていた。

それでもサチコはセイに想いを伝えて来てもいいと言ってくれた。

それが・・・どれほど嬉しかったか。ユミの中の感情をサチコが認めてくれたという事実が・・・どれほど・・・。

ユミは握っていた拳をそっと解いた。もしかするとまた泣いてしまうかもしれない。

けれど言わなければならない。ちゃんと説明しなきゃ・・・ならない。

大きく吸い込んで吐き出した息は白い。覚悟を決めるのはもう慣れた。

セイを好きだと思い始めたその日から、もう何度も何度も覚悟してきたのだから。

そして・・・今も、あの日も・・・決意は・・・変わらない。

「私・・・聖さまには想いを告げました。成り行きだったけど・・・でも、ちゃんと・・・伝えたんです」

「・・・そう・・・それで?聖さまの返事は?」

ほんの少し声のトーンが落ちたサチコの言葉は冷たい訳ではなかった。けれど、暖かいでもない。

不安げで、切なそうな・・・そんな声。ユミは恐る恐るサチコの手に触れた。

するとサチコもユミの手を強く握り返してくれる。

そんな事で安心してしまう自分こそ、今までどれほどサチコに甘えていたのだろう。

「聖さまは・・・信じられないけど、私と・・・同じ気持ちだったんです」

本当に・・・今でも信じられない。セイから伝えられた言葉は、今も鮮明にユミの心の中に蘇る。

その言葉が嬉しいのか悲しいのかよく分からない感情に少し戸惑ってしまったけれど。

懸賞が当たったり、宝くじが当たるのとはまた違う喜び。

両想いだと知った時のあの感情をどう表せばいいのか、今でも分からない。

覚えているのは、酷くドキドキして呼吸が出来なくなりそうで。夢なのか、とか、現実なのか、とか、

そんな事を考える暇も無かった。ただセイの言葉だけが何度も何度も耳の奥で響いて、

次の瞬間には涙が溢れてきていた。やっと伝えられた想いや、今までの事が頭の中を駆け巡って・・・。

あの日の事を思い出すユミを、サチコは邪魔しなかった。ハンカチでユミの頬を拭き、

震える肩をそっと抱き寄せてくれる。

ユミはサチコの行動でようやく今、自分が泣いている事に気付いて、

そのままサチコにみっともなくしがみついた。本当はこうやって泣きたかったのかもしれない。

誰かにすがり付いて、胸の内を聞いて欲しくて。自分の出した答えは決して間違えてはいなかったのだ、と、

誰かに言ってほしかったのかもしれない。それが今、サチコで良かったと心の底から思う。

今、ここに・・・お姉さまが居てくれて・・・本当に・・・良かった・・・。

「お姉さまぁぁ!!わ、私・・・両想いだって知っても、それを受け入れる事が出来なくて・・・。

だって・・・わ、私には・・・まだしなきゃいけない事がある、から・・・だから・・・、

お姉さまは、そつ、卒業しちゃうし、でもそれまでは私・・・お姉さまと一緒に居たくて・・・だから」

もう自分でも何が言いたいのか分からなかった。ただ、伝えたかった。この想いを、決意を。

お姉さまは案の定困ったような顔でユミを見下ろし、泣きじゃくるユミの背中をただ撫でてくれている。

「それで?それでどうしたの?祐巳はどんな答えを出したの?私に・・・最後まで聞かせてちょうだい」

ゆっくりと優しいお姉さまの声。まとまらないけど、分かりづらいけど、それでも構わないだろうか?

それでもこんな風に優しく・・・聞いてくれるだろうか?

ユミはそっと顔を挙げてお姉さまの顔を覗き込んだ。

まるで小さな子供が、はぐれていた親を見つけて安心した時のように。

そんなユミを見て、お姉さまは微笑んで頷く。

「だから・・・私が・・・私が卒業するまでは・・・もう逢わないと・・・約束をしたんです」

「・・・どうしてそんな約束を・・・」

「私はこんなですから、聖さまと学校を両立する事が・・・きっと出来ませんから・・・。

それに・・・聖さまを想うこの気持ちが・・・ホンモノかどうかを確かめたくて・・・」

ユミの答えにサチコは怒らなかった。けれど褒めもしない。

ただ呆れたように微笑んで髪を優しく撫でるだけ。

「この子は本当に・・・バカなんだから。分かってるの?祐巳が卒業するまでまだ一年もあるのよ?」

「はい・・・もしもその間にどちらかの気持ちが変わってしまえば・・・私たちの恋は終わりなのだろう、

と、聖さまは・・・仰ってました・・・でもね、お姉さま。私・・・それだけは・・・自信あるんですよ?

一年後もきっと、聖さまを愛してると、そう・・・思うんです」

誰かの為に泣いたり、誰かを想って切なくなるのは多分これからもセイにだけだろう。

それはいくら月日が流れてもきっと変わらない。ただ・・・セイの場合は分からない。

もしもこれが勘違いの恋であれば、ユミの想いはきっとセイを壊してしまう。

何となく・・・そう思った。あんな提案をしたのは、それも一つの理由だった。

ユミの言葉に、決意に、お姉さまは大きなため息を落とした。

いや、もしかすると安堵の息だったのかもしれない。

「そう・・・よく・・・頑張ったわね、祐巳。一年後が楽しみね」

「っ・・・そ、そんな風に・・・思ってくれるんですか!?

ど、どうしてっ・・・だ、だって私・・・お姉さまに酷いこと一杯して・・・っ」

思わず立ち上がったユミをサチコは驚いたように見上げていたけれど、やがてにっこりと笑った。

「何を言ってるの。私は祐巳に酷い事をされたなんて思ってないわ。

ただ・・・ヤキモチを妬いたのよ、聖さまに。

だって私はあなたの姉よ?どこの世界に可愛い妹の幸せを望まない姉が居るというの?

・・なんてね。本当はもっと早くにこんな風に思えていれば、

祐巳はこんなにも涙を流さなくてすんだのかもしれないわね」

そう言って子供みたいに笑うお姉さまの顔はとても印象的だった。悪いことをして咎められた後の、

あのバツの悪そうな顔・・・。それが何だかおかしくて、ユミも笑ってしまった。

「私・・・お姉さまとの事で流した涙を無駄だなんて思いません。

だって、私のお姉さまはワガママでヒステリックな人ですから。

そして・・・とても・・・暖かくて優しい・・・人ですから・・・」

「コラ!一言余計よ・・・ふ・・・ふふふふ。またこんな風に笑えるなんて、思ってなかったわ」

「私もですよ、お姉さま」

やがてお姉さまはゆっくりと立ち上がった。そしてそっとユミの手を取ると、ポケットから何かを取り出す。

「これを・・・もう一度あなたの首に飾ってくれる?」

ユミは大きく開いた目でお姉さまを見上げ、涙が零れそうになるのを堪え、かろうじて笑った。

最高の笑顔で、それを受け取りたかったのかもしれない。

足元には枯れて落ちた白薔薇と、綺麗に咲き誇る紅薔薇。

二度目のロザリオを受け取るには、この場所がいい。

今はマリア様よりもずっとずっと強いご加護があるような気がするから。

「はい」

ユミはゆっくりと頷くと、そっと瞳を閉じた。首筋に冷たい感触。金属音がユミの心を揺さぶる。

もしもユミに妹が出来たら、その時はこのロザリオを手放さなければならない。

けれど・・・それまでの間は、もう少しの間だけは・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

電気が消えた温室を振り返ってみたけれど、もう心は痛まなかった。

左手をしっかりとお姉さまと繋いで、ゆっくりと歩くのは銀杏並木。

ユミは寒そうに顔をしかめるお姉さまを見上げ、白い息を吐き出しながら言った。

「お姉さま!チョコレート食べますか?」

「チョコレート?どうしてそんな物を持っているの?」

お姉さまの言葉に笑ったユミは、ポケットの中からすっかり柔らかくなったチョコレートを取り出すと、

それをお姉さまに見せた。

「やだ、ドロドロじゃない」

「でも美味しいですよ、きっと!それに・・・このチョコレートは・・・特別なんですから!」

セイに貰った最後の・・・いや、最後になるかもしれないチョコレート。

勇気の出るおまじないチョコレート。

グニャグヤのチョコレートを怪訝そうにお姉さまは見つめていたけれど、ユミの言葉を聞いて小さく笑った。

「そうなの?なら貰おうかしら」

「はいっ!」

それから二人でチョコレートを食べながら帰った。普段なら絶対にお行儀が悪いわよ!と怒るお姉さまも、

今日だけは怒らなかった。溶けたチョコレートを嫌そうにつまみ、

それを口に運んでは、また一つ食べるお姉さまを見て、思わず笑いが込み上げてくる。

一年経った時、自分がどんな人生を歩んでいるかは分からない。

けれどさっきお姉さまが言ったように、楽しみでもある。

今よりもずっと成長したユミは、きっとセイと笑って逢える事を信じて。

この溶けたチョコレートと、お姉さまの話を笑ってセイに話せると信じて・・・。




甘い甘いチョコレート。どうか私を守ってちょうだい。


少しの勇気と、優しさをちょうだい。


あの人にまたいつか出逢えるよう、今はあなたの甘さで私を溶かして。


いつかきっと、やってくる幸せのために。


甘いチョコレート