意地悪をしたいんじゃない。


どんな反応をするか見たいだけ。


これって、そんなに悪い事ですか?




ススキが揺れて秋の到来を知る。頬を撫でる風が冷たく湿った。

空には秋茜、足元にはこおろぎが。

誰かが来るのを、ずっとここで待っていたけれど、聞こえてくるのは風と虫の音だけ。

もうそろそろ家へ帰ろうか、もう少しここでこうして紅く染まってゆく空を見ていようか・・・。





「あぁ〜楽しかった!!ねっ?祐巳ちゃん!!」

セイは笑顔で振り返った。しかし、そこにユミの姿は・・・ない。

「あれ?祐巳ちゃん!?」

「・・・こっちです・・・聖さま・・・」

まだおぼつかない足をどうにか踏ん張りながらユミはヨタヨタと歩く。

かなりみっともない格好だけれど、しょうがない。

本当に気持ち悪かったのだ。これじゃあ三半規管を慣らすどころか、180度回って余計に狂ってしまいそう。

コーヒーカップの敗因はセイにハンドルを持たせた事だろう・・・ユミはそんな事を考えながら、

迎えに来てくれたセイに向かって一歩また一歩を歩み寄った。

「大丈夫?とりあえずあそこに座ろうか。私ジュース買ってくるから」

「は・・・はい・・・恐れ入ります・・・」

セイに向かってこんな改まった敬語を使うのは久しぶりだった。

大分セイと一緒に居る事にも慣れたつもりだったけれど、気を抜くと気持ちは高校時代にタイムスリップする。

だからかもしれない。こんなにも毎日セイを見ているのに、ドキドキが収まらないのは・・・。

「それじゃあ行ってくる。何がいい?」

「何か・・・スカっとするやつを・・・お願いしまふ・・・」

うぅ・・・気持ち悪い・・・こんなにも気持ち悪いのはお腹が減ってたのもあるのだろう。きっと。

「はぁ・・・由乃さん・・・聖さまはやっぱり一筋縄じゃいかないよ・・・」

ユミは秋晴れの空を見上げそう呟いた。



一方その頃、ヨシノも反対側のベンチに腰掛けていた。

同じくコーヒーカップに酔ったヨシノと、そんなヨシノの為にジュースを買いに走ったレイだったが・・・。

「え〜っと・・・由乃にはレモンスカッシュでしょ・・・私は・・・よしっ!これにしよう!」

ポチ・・・ガコン!

落ちてきたジュースを拾おうとレイがしゃがんだその時だった。

突然すっぽりとレイの大きな身体は黒い影にすっぽりと覆われた。

レイは誰かが後ろで待っていることを悟ると、

すぐにジュースを取り出し急いで立ち上がりその場を去ろうとしたその時だった。

突然立ち去ろうとしたレイの腕を、誰かが掴んだのだ。それも凄い力で・・・。

レイはその人を睨みつけようと顔を勢いよく振り上げ・・・固まった。

持っていたジュースがガコンガコンと地面に落ちる。

「・・・・っ!!!!」

「令ちゃ〜ん。凄く久しぶりだったけど元気?ところで奇遇だねぇ、こんな所で会うなんて」

「せ、せ、せっ聖さま!!!!????ど、どうしてここに!?」

「どうしてここに?はこっちのセリフだよ、令・・・初めからずっと尾けてきてたでしょ?」

セイはニッコリと笑った。これ以上ない極上の笑みで。

しかし、セイの笑顔にレイはフルフルと震えている。

「し、知ってたんですか!?」

レイはセイの言葉に愕然とした。ヨシノの計画は確かに穴だらけで尾行もへったくれも無かったけど、

まさかこんなにも早くにバレるとは!!しかも最初から知っていただなんて・・・。

レイはガックリとうな垂れてヨシノに怒られる事を覚悟した。

きっとセイはヨシノにも忠告するに違いない・・・そう思ったのだけれど・・・。

「もちろん。どうせまた由乃ちゃんにそそのかされたんでしょ?

いい?祐巳ちゃんとのデート邪魔したら承知しないからね?例え可愛い後輩でも・・・容赦しないから。

覚えておいてね?それから・・・ここで会ったのはくれぐれも由乃ちゃんには秘密にしておくように。

分かったわね?分かったら早くそれ由乃ちゃんに持って行ってあげなさい」

セイはレイの足元に落ちたジュースを拾い砂を払うとレイに手渡した。

ヨシノに言えば、きっとまたレイはヨシノに不当に怒られるに違いない。

こうしてあえて忠告しておけば、レイもきっと口を滑らせる事もないだろう。

自分達を尾けて来たと分かっていても、どうせ遊園地に来たのだ。

二人は二人で楽しんでもらいたい。セイはレイの肩をポンポンと叩くと、ゆっくり背中を押してやった。

レイはそんなセイにペコリとお辞儀をして、軽い足取りでベンチの方へと走ってゆく。

セイはそんな後姿を見つめながら、小さく笑う。

「さて、ウチのお姫様には何がいいかな・・・それにしても令も由乃ちゃんも本当によくやるよ。

でも、これぐらいのお仕置きは別にいいよね」

セイはポツリとそう呟いて、さっきレイが買ったジュースの事を思い出した。

そう・・・二本とも炭酸入りだったからきっと今頃・・・。



「はいっ!由乃!!」

「ありがとう、令ちゃん!」

「「それじゃあいっただっきま〜す」」

ブシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!

「「ぎゃぁぁぁ!!!!!」」

「令ちゃんの・・・令ちゃんの・・・ばかぁぁぁぁ!!!!」

「よっ、由乃!!そんな大声出したら祐巳ちゃんに聞こえちゃうってば!!」




「祐巳ちゃん、お待たせ!」

「あっ、聖さま!・・・大丈夫かな・・・後ろの人・・・」

ユミはそう言ってチラリと後ろのベンチに目をやったけれど、すでにそこには誰も居ない。

「?後ろの人がどうかしたの?」

「ええ、ジュース開けた途端にこう・・・ブシュゥっと・・・」

「へぇ・・・」

セイはそう言って笑いをかみ殺した。何となくだけど想像がつく。

ヨシノとレイが慌てふためいてベンチから離れた姿を。

「ところで祐巳ちゃん。気分はどう?もう大丈夫?」

「あっ!はい、お蔭様でもう大丈夫です!ご心配おかけしてしまって・・・」

ユミはそう言ってシュンと恥ずかしそうに俯いた。

けれど、セイはそんなユミの頭をポンポンと軽く叩いただけで何も言わなかった。

「それじゃあ今度はちょっとゆっくりめなのにしようか?」

「はいっ!」

「それじゃあ・・・どれがいい?」

セイはパンフレットをユミの目の前に広げて見せた。ユミはそれを真剣に覗きこんでいる・・・。

「えっと・・・次はあんまり激しくないやつで・・・」

オバケ屋敷!次はオバケ屋敷に決まりでしょう!!

ユミはそう言ってパンフレットのオバケ屋敷の所をさりげなく指でなぞって見せた。

するとセイは・・・。

「何、もしかして祐巳ちゃんオバケ屋敷がいいの?」

ヤバイ・・・これは絶対にオバケ屋敷に入ろうとしてる・・・。

セイの背中を何か冷たいものが流れ落ちてゆくのがわかる。

「えっ!?いえ、そういう訳じゃないんですけど・・・ただ激しくないのってこれぐらいかな?って」

ここでセイに抱きついて・・・うふふふふふ!

ユミは頭の中で何度も何度もシュミレーションしていた。セイの腕にしがみつくタイミングを・・・。

一方セイは何か煮え切らない態度で口元に手を当てている。

「・・・どうかしましたか?聖さま?」

「い、いや。それじゃあ・・・行こうか・・・オバケ屋敷・・・」

はぁ・・・。セイは心の中で大きなため息を落とす。

『どうしよう・・・オバケは本当に駄目なんだよ・・・私・・・』

セイはユミの手を取り、重い足取りでオバケ屋敷へと向かった・・・。



思うに、どうしてオバケ屋敷の付近はこんなにもオドロオドロしいんだろう。

もっとこう、ぱぁーっと明るくてもいいじゃないか。

いかにも怖がらせますよーと言わんばかりの音とか風とか空気とか・・・。

セイは遠くからでも分かるソレを見て、思わずユミの手を握る手に力が入る。

ユミはそれをどう捕らえたのか分からないが、何やら嬉しそうにセイの方を振り返った。

入り口にはお岩さんがお皿を数えている人形・・・受付には生首と謎のお坊さんのお人形が立っている・・・。

「さっ、聖さま!入りましょう!」

「う・・・うん・・・祐巳ちゃん・・・手、離さないでね・・・」

「もちろんですよ、迷子になったら困りますし・・・それに私・・・ちょっとだけ怖い・・・」

ユミはセイの腕に自分の腕を絡めると、ピッタリと寄り添った。

そんなユミの腰に、そっと腕を回すセイ・・・。あぁ・・・そうそう!こんな感じ!!!

ユミは想像以上の展開に早くもドキドキしていた。

これからどんなロマンスが始まるのか・・・それを想像しただけでも、もう貧血を起こしそうなほどだ。

「あぁ・・・ヤバイ・・・貧血起こしそう・・・」

「聖さま・・・」

セイがポツリとそう呟くのを聞いて、ユミの胸はさらに高まった。

まさか同じ気持ちになれるなんて!!ユミにとってこれほど嬉しいことはない。

「それでは、行ってらっしゃ〜い」

笑顔で受付おお姉さんが生首の横から手を振ってくれる。

ユミはそんなお姉さんに軽くお辞儀をして、一歩足を踏み出した・・・。



中は真っ暗かと思いきや、薄暗い程度の闇だった。

でも、ユミは鳥目でこれぐらいの闇でも十分真っ暗に感じてしまう。

「聖さま・・・何も見えませんね・・・」

「そ・・・そう?私にはバッチリ見えるんだけど・・・手とか・・・首とか・・・」

セイは周りをキョロキョロしながらあちこちから飛び出している手や足に触れないように歩いた。

ドロドロドロ・・・とお決まりの効果音に混じってお経とか聞こえてくるもんだから、もう堪らない。

「イタ・・・やだ、聖さま・・・何かに当たったみたいなんですけど・・・」

よしっ!ここだ!!

ユミはセイの腕をグイっと引っ張ると今ぶつかったモノに驚く振りをした。

「えぇ・・・?壁かなんかじゃ・・・ひっ!!」

セイは短い悲鳴を上げると、見て見ぬ振りをする。

『見なかった・・・私は何も見なかった・・・バカデカイ蜘蛛なんて見てない!!』

「聖さま・・・?何だったんですか・・・?」

「う、うん?・・・多分壁だよ。そう、壁だった!」

「そうですか・・・?何かもっと違うものだったような気がしたんですけど・・・」

「気のせい!」

「そ、そうですか?」

おかしいな・・・あの感触は壁では無かったような気がするんだけど・・・。

ユミはチラリと振り返り、今ぶつかったモノを見ようとしたけれど、やはり何も見えない。

「さっ、祐巳ちゃん!もうちょっと早足で行こう?」

「えっ・・・せ、聖さま・・・?」

ユミは半ば無理矢理ユミを引っ張るセイに違和感を感じながら、しぶしぶスピードを上げた。

何故だろう・・・いい感じなのに、何か今ひとつ釈然としないのは・・・。

闇はさらに暗さを増して、音も大きくなってきた。

あちらこちらにライトアップされた生首が置いてあるけれど、そのどれもが作り物だと一目でわかる代物だ。

それなのに・・・セイはそれらを見るたびに小さな悲鳴を上げている。

そして・・・。

ユミには見えた。ゴール付近にある、仕掛けが・・・。

多分、上から何か人形が頭すれすれに落ちてくるのだろう。ここはチャンスポイントだ!!

ユミは咄嗟にそう思った。これで一気にラブ度を上げてみせる!!と・・・。

そしてそれはやってきた。案の定二人が近づくと、ガタンとお経に隠れて音がしたかと思うと・・・。

ヒュン・・・。

「きゃぁぁぁぁ!!!!!」

「・・・・・・・・?」

ユミは自分の耳を疑った。自分は何も言っていない・・・それなのに聞こえた叫び声は一体・・・。

それにこのぬくもりは・・・?

「せ、聖さま・・・?」

「も、もう駄目・・・」

「えっ!?せ、聖さま!?だ、大丈夫ですかっ??」

ユミはその場にフラフラとしゃがみこんでしまったセイの腕をガッシリと持つと、どうにかゴールを目指した。

セイの髪がフワリとユミの頬にかかる。相変わらずミントのいい匂いがする・・・。

なんだか想像していたのとは随分違うけれど、これはこれで・・・いいのかもしれない。



やっとの思いで出口にたどり着いた二人を待っていたのは眩しいぐらいの太陽だった。

「まぶし・・・」

「もう・・・出た・・・?」

セイはゆっくりと目を開けて周りを見渡した。

まだあのお経は聞こえるけれど、どうにか出口にたどり着いたらしい。

「せ、聖さま?な、泣いてるんですかっ!?」

ユミはうっすらと涙を浮かべるセイの顔を見て更に驚いた。

そして確信する。やっぱりあの悲鳴はセイだったのだと。

「だって・・・怖かったんだもん・・・」

セイは恥ずかしそうに涙をグイっと袖で拭って、ヨロヨロしながら近くのベンチに腰掛けた。

後からついてくるユミは、どこか残念そうだ。

やっぱり頼りなく見えてしまっただろうか?いい歳してお化けが怖いだなんて・・・。

セイは、はぁ、と大きなため息をついて隣にチョコンと腰を下ろしたユミの横顔を見つめた。

ただ黙ってオバケ屋敷を見つめるユミ。その顔はどこか残念そうで・・・。

理論で片付くモノは何も怖くないけれど、理論じゃ説明できないものはとても怖い。

オバケも妖怪も・・・時には妖精といったものまで怖いと感じるのだ。

幼い頃からそういうのには敏感だった。道を歩いていて何故か突然寒くなったり怖くなったり・・・。

それを両親はいつもオバケの所為だと言った。だから余計に怖いのかもしれない。

『・・・嫌われちゃったかな・・・呆れられたかな・・・』

セイはフッと自嘲気味に笑うと、相変わらず無言のユミから顔を逸らした。

「聖さま・・・オバケ怖いんですね?」

「・・・うん・・・・」

「それならそうと言ってくれれば良かったのに・・・」

「ん・・・ごめん・・・」

なんだかどんどん自分が惨めに思えてくる。こんな小さな事だなんて事ぐらい分かっているのに。

落ち込むセイを見て、ユミは突然プっと笑いを零した。

「ゆ、祐巳ちゃsん!?ど、どうして笑うのよ」

「だ、だって・・・聖さま・・・きゃぁって!!きゃぁぁ・・・って」

ユミはさっきのセイの叫び声を思い出してお腹を抱えて笑い出した。

確かにラブ度は上がらなかったかもしれない。けれど、セイの以外な一面を思いもかけず見ることが出来た。

あんなにも可愛らしくセイが叫ぶなんて、想像もしてなかった。

いや、多分どんなに想像力が豊かでも出来なかったに違いない。

オバケ屋敷に入る前、セイが貧血になりそう、と言ったのは多分怖さのあまりに出た言葉だったのだろう。

それを思うと、もうセイが可愛くて可愛くてしょうがなかった。

いつまでも笑うユミに、セイはほんの少し怒ったような照れたような顔で睨みつける。

「何よ・・・しょうがないじゃない。怖いものは怖いんだから・・・」

「そ、そうですね。怖いものはしょうがないですよね・・・っくくく」

「・・・もういいよっ。覚えておいてよ?この仕返しは絶対にするからね!!」

セイはそう言うのがやっとだった。

ユミが怒っていたのではないという安心感と、

自分でも恥ずかしい程の乙女チック叫び声を思い出して恥ずかしくなった。


いつでも格好よくいたいけれど、人間はそれだけではない。

どんなに努力しても、どうしたってどこかが剥がれ落ちてしまう。

でも、それを受け入れてくれるのなら・・・自然体の自分でもいいと言ってくれるのなら・・・。

そしてすねるセイにユミは言う。

「いいじゃないですか。私が平気なモノは聖さまは苦手。私が苦手なモノは聖さまが平気。

それでいいじゃないですか。だからこそ補い合えるんです、上手くバランスが保てるんです。

きっと、そういうもんです」

と。

「そう・・・だね。そういうもんかも・・・しれないね」

セイは他の季節よりもずっと高い空を見上げて微笑んだ。

他の季節じゃなくて良かった。

こんなにも高い空でないと、きっとユミを想う気持ちが負けてしまうから・・・。






騎士の苦手なもの。それは梨でした。

でも姫は梨が大好きです。騎士もそれをよく知っていました。

だからお出かけするのは姫の大好きな梨畑と決めていたのです。ずっと前から・・・。

やがて目の前に沢山の梨が見えると、姫は大喜びしました。

騎士も姫が喜ぶのを見てとても嬉しくなったのですが、一方不安もありました。

もし姫に梨が嫌いだと言う事がバレたら、姫はきっと騎士を軽蔑するでしょう。

女の子は好きなものが同じでないと嫌だとどこかの本に書いてありましたから。

でも、どうしても嫌いなものをいくら騎士でもそんなに長くは隠せません。

あっという間に姫に騎士が梨が嫌いだということがバレてしまったのです。

「申し訳ありません、姫。私はどうしても梨が苦手なのです」

騎士は素直に謝りました。たとえ姫に嫌われてしまっても、隠していた自分が悪いのです。

「どうして今まで黙っていたの?」

ヒザをつき頭を下げる騎士に、姫は聞きました。

姫には梨が嫌いという事を騎士が何故ずっと隠していたのかが分からなかったのです。

「姫は梨がお好きだからです」

「まぁ・・・呆れた人ね。どうして私が好きだから嫌いなものを遠慮しなくてはならないの?」

姫はクスリと笑いました。姫が好きだから嫌いな事を黙っていたという騎士の考えがおかしかったのです。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「私は梨が好きだけれど、あなたは嫌い。たったそれだけの事じゃない。

そんな事よりも、私には梨嫌いのあなたが我慢して梨好きの私の為に、

ここを選んでくれたということの方が重大だわ。

ありがとう・・・とても素敵な所ね」

姫は素直に騎士にお礼を言いました。

すると、騎士は顔をゆっくりと上げて柔らかく微笑みます。

その笑顔を見て、姫もつられて笑ってしまいました。

秋の風が二人を優し包みました。







まるで好みも違う。噛み合わない二人でも、どこかで繋がる。


根っこの所が同じなら、いつまでも一緒に居られる。


秋風はそんな事を思い出させてくれる。









御伽話   第七話