時が経つにつれて風化する心。


時が経つ事によって失くす気持ち。


時が経っても変わらない心。


時が経つ事によって・・・育つ気持ち・・・。





「「お帰りなさいませ」」

「あ、はい、どうも」

セイとユミは旅館に帰ってくるなり大勢の従業員に出迎えられた。

こんな時、ユミは何故か気恥ずかしくて妙に足早になってしまう・・・。

一方セイは慣れたもので、どうもー、などと言って愛想を振りまいている。

こういうセイを見るといつも、流石だなぁと思ってしまう。

一応同じ薔薇様という道を通ってきたのに何故こうも違うのだろうか・・・。

「・・・きっと元が違うんでしょうね・・・」

ユミがポツリとそう呟くと、前を歩いていたセイがクルリとこちらを振り返った。

「ん?何か言った、祐巳ちゃん?」

「あ、いえ。なんでもないです・・・それよりこの後ってご飯ですか?」

「どうしようかなぁ・・・と思って。私出来れば先にお風呂入りたいんだよね」

「あ!私もお風呂入りたいです!!」

「あ、ホント?じゃあそう言ってくるね!」

セイはユミの答えに顔をパッとほころばせると、すぐさまカウンターへと行ってしまった。

そのあいだユミは、そんなに広くはないホールを探索する事にした。

いろいろなポスターや、掛け軸がかかっていて何ともまとまりの無い感じだったが、

そんなところが返って新鮮に感じる。

「あれ?ここ・・・さっきの・・・」

ユミは一枚のポスターの前で立ち止まると、しげしげとそのポスターを眺めた。

「どうしたの?何か面白いもの見つけた?」

「ぎゃうっ!!」

突然耳元で聞こえたセイの声に、ユミは思わず冗談ではなくピョンと飛び跳ねてしまう。

「相変わらずねぇ。そんなにビックリしなくてもいいでしょ?」

「だ、だって、まだ帰ってこないと思ってましたから・・・」

ユミはまだドキドキする心臓を押さえながら、はぁはぁ、と肩で息をして見せた。

「それより何見てたの?ん〜?どれどれ・・・へぇ・・・仮面舞踏会・・・ねぇ」

「ちょっと面白そうじゃないですか?」

この島のどこでするのか・・・そもそもどれぐらいの人が参加するのか・・・それが大いに気になる。

「どこでやるんだろ・・・ていうか人来るのかなぁ?」

「ほんとですよねぇ」

ユミはそう言いながら熱くなってゆく頬を押さえた。

同じ事考えてた・・・それだけの事なのにこんなにも嬉しいなんて・・・本当にどうかしている。

「まぁでも、どうせ夜はヒマだしちょうどいいか。行ってみる?」

「はい!是非!!」

ユミはセイの手をギュっと握るとその手を勢いよく上下させて喜んだ。

そんなユミに、セイも嬉しそうに笑う・・・と、その時・・・。

「誰!?」

「な、なんですか??聖さま???」

ビックリするユミとは裏腹に、セイは真剣な表情で辺りをキョロキョロと見渡している。

「ど、どうかしたんですか?」

「いや・・・気のせいだったみたい・・・そろそろ部屋かえろっか、祐巳ちゃん」

セイはまるで何かから守るみたいに、ユミをグイっと引き寄せて階段をゆっくりと上り始めた。





「祐巳ちゃん、お祭りに行きたいんならそんなにゆっくりお風呂入ってる時間ないからシャワーだけ浴びといで」

「あ・・・はい」

なんだ・・・一緒に入らないのか・・・。

何故かそんな事を思ってしまう自分に、ユミは思わず赤面してしまった。

これじゃあまるで何か期待しているみたいだ。

ユミはそんな考えを振り払うようにブンブンと頭を振った。

「それじゃあシャワー先にいただきますね」

「うん。ゆっくり浴びておいで。なんなら一緒に入る?」

「えっ!?」

「冗談だよ、そんな顔しなくても覗いたりしないから安心してよ」

「はあ・・・」

ケラケラと笑うセイを横目に、ユミは着替えとタオルの準備をしてお風呂場へと入る。

ほんの少し残念・・・なような気もするが、流石にシャワーはちょっと狭いか・・・。

ユミは服を一枚づつ脱いで下着に手をかけたその時・・・突然お風呂のドアが開いた。

「ひゃあっ!!!」

「ご、ごめん!!手だけ洗わせてほしかったのよ。何も見てないからっっ」

セイはそう言って出来るだけ素早く手を洗うとサッサト洗面台を後にした。

「び・・・びっくりした・・・」

セイは片手で顔を覆うと今しがた見たばかりのユミの下着姿を思い出す。

いや、正確には脳裏に焼きついてしまって離れない、といった方が正しいだろう。

ユミの下着姿なんて、そうそう見られるものではない。

だからだろうか・・・こんなにも恥ずかしくてドキドキするのは。

「私・・・変だ・・・」

このままじゃきっとお風呂上りにもドキドキするんだろうな・・・。

セイはそんな事を考えながら畳の上にゴロンと転がった。

サラサラと前髪が目にかかる・・・セイはそれを少しだけつまんでクルクルと指に巻きつける。

目を瞑れば瞼の裏に浮かぶユミの身体・・・見ない、とか言っておきながらバッチリ見ている自分が悲しい。

「相変わらず細かったな・・・それに・・・ちょっと胸・・・大きくなったかな・・・」

出逢った時のユミは背ももっと低かったし、髪型もツインテールでどちらかといえば少女だったが、

最近はすっかり大人っぽくなった。

背は少し伸びて、髪も伸びた・・・身体つきだってもう少女ではないように思う。

いや、相変わらず童顔には変わりないし胸もまだまだだけど・・・。

それでもセイは日々綺麗になってくるユミに、ただ見惚れるしかなくて、内心少し戸惑っていた。

どんどん綺麗になるのをすぐ傍で見ていられるのはいいけれど、

本当に自分の傍に居る事はユミの幸せなのだろうか・・・とか、

このまま自分ばかりが置いていかれるのではないだろうか・・・とか。

きっとこんな事ユミに言うと怒られるんだろうな・・・と思いつつ、ついつい考えてしまう。

心配や不安はいつまで経っても消えないし、付き合う年月が延びるにつれてそういうものは増えていくように思う。

「はぁぁ・・・でもどうしようも無いじゃない・・・」

自分の幸せを考えるならユミの存在は必要不可欠だし、

だからと言ってユミにもそれを押し付けるのは間違っていると思うし・・・。

一度入り込んだ迷路は、なかなか抜け出せそうになかった。

「聖さま、あがりましたよ〜」

「お、早かったね・・・って祐巳ちゃん!?何その格好!!」

セイはシャワーを終えてお風呂から出てきたユミを見て目を丸くした。

「あ、すみません・・・それが下着持って行くの忘れちゃって・・・」

「あ、そ、そう・・・びっくりした・・・誘われてるのかと思った」

セイは出来るだけユミの方を見ないようにしながらコソコソと入れ替わりでお風呂場に向かう。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・やめてよ・・・もう・・・」

セイはまた赤面する顔を、鏡で確認すると更に顔赤らめる。

「ダメだ・・・アレは反則だよ祐巳ちゃん・・・水でも被って頭冷やそう・・・」

セイはガックリと頭をうな垂れてまドクドクと激しく鳴る心臓を押さえながら、服を脱ぎ始めた。


「そんなにビックリする事かなぁ?」

ユミは自分の姿を確認しながら首をひねった。

セイは自分の裸など見慣れているのに、どうしてこんな事であんなにも反応するのだろう?

「でも・・・さすがにバスタオル一枚はマズかったかな・・・」

ユミはもう一度自分の姿を見て苦笑いする。そしてチラリと目に入った胸元を見て更に肩を落とす。

「・・・ちっさいなぁ・・・」

ポツリとつぶやいたユミの声は、静まり返った部屋の中で妙に大きく感じられた・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


晩御飯を終え、セイとユミはフロントでお祭りの行われる場所を聞いた。

お祭りは島の中央にある広場で行われるそうで、毎年そこそこ人も集まるという。

何でも今年は観光パンフレットにも載せたから結構な人手が予想されるとかされないとかで、

女将さんも大はしゃぎといった感じだ。

「楽しみですね!聖さま!!」

「そうねぇ・・・なんだか嫌な予感がするんだよねぇ・・・」

「何です?嫌な予感って・・・」

「いや、よくわからないけど・・・何となく虫の知らせっていうか・・・飛んで火にいる夏の虫っていうか・・・」

「・・・聖さま・・・何が言いたいのかサッパリわからないんですけど・・・」

「うん、私にもわかんない」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

セイの言わんとしてる事がさっぱり理解できないユミは、もはや首をひねるしかなかった・・・。

セイはそんなユミを見てケラケラと笑うとユミの手をとり、大丈夫大丈夫!と言ってお祭り会場へと足を運んだ。




「女将さんの言うとおり結構いるじゃない・・・ちょっと気味悪いけど」

「これは・・・はぐれたらわからなくなっちゃいますね・・・」

セイとユミはお互い顔を見合わせ苦い笑いをこぼす。

広場には予想以上の人の多さで、流石に仮面舞踏会と言われるだけあって皆が皆仮面をかぶっている。

「一応はぐれた時ように集合場所とか決めときます?」

ユミが不安げにセイの袖をつまむと、セイはニッコリ笑ってこう言った。

「大丈夫。たとえこれだけ人が居ても私は祐巳ちゃんを探せるから」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

自信満々にそういうセイはかなり格好良い。

こんな時、自分は本当に愛されてるんだな・・・なんて自惚れてしまう。

ユミがポヤ〜ンとそんな考えに浸っていると、セイはすぐさまこう付け加えた。

「この中で一番鈍くさそうなのが祐巳ちゃんでしょ?」

と・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

前言撤回。愛されてるんじゃなくて、これはきっと遊ばれているのだろう・・・祐巳はそう確信する。

「それじゃあ受付行こう、祐巳ちゃん」

「はい、そうですね」

二人はそういってお互いの手をとると、広場の端っこにある受付へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「これは・・・本気でわかりませんね・・・」

「う〜ん・・・ちょっと自身無くなっちゃった」

セイは仮面をつけたユミを見て、困ったように笑う。ユミも仮面のセイにほんの少し戸惑った。そして思う。

元が良ければたとえ顔半分が隠れてもキマルのだな・・・と。

目と口元しか見えない仮面は、いっそうその人の顔立ちを際立たせる。

ある意味、ユミよりもセイを探す方が簡単かもしれない・・・ユミはそんな事を考えながら、

いつもの魅力に、仮面というミステリアスさがプラスされたセイに見惚れていた・・・。

「祐巳ちゃん、なるべく私から離れないようにね?」

「はい!!頑張ります!!!」

ユミはそう言ってセイの手を掴もうとしたその時・・・突然誰かがセイとユミの間に割って入った・・・。

と、思った瞬間、あっという間にセイは居なくなってその場にはユミ1人取り残されてしまう。

セイの名前をいくら呼んでも、他の人の声にかき消されて声は届かない。

急に不安になって、ウロウロと歩き回るが人の波に押し戻されて、気付けば輪の中からはじき出されていた・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

一方その頃セイは突然ユミとの間に割り込んできた女の人の腕を掴んでいた。

「ちょっと、どういうつもり?おかげで連れとはぐれたじゃない!!」

セイは声を荒げて手にギュっと力を込める。

しかし、女の人はそんな事全く気にしない様子でこちらを仮面ごしに見ている。

「あなたまだそんな顔出来たのねぇ」

「はっ!?私の事知って・・・?」

セイは飄々とした女の人の態度に、サッと腕を放し自分の耳を疑った。

確かに聞き覚えのある声・・・そう・・・この声は・・・まさか?

「お・・・おねえさ・・・ま?」

セイが恐る恐るそう尋ねると、女の人はニッコリと笑って仮面をゆっくり外した。

「せいか〜い。よく出来ました」

「ど、ど、ど、!!!!」

セイはお姉さまを指差してどもる。どうしてここにいるのか?

それを聞きたいのだけれど、言葉がうまく繋がらない。

「久しぶりね、元気だった?」

「え!?え、ええ、まぁ、元気です。お姉さまは?・・・じゃなくて!!どうしてここに居るんですか!?」

まるでユミ並みの驚きっぷりだと自分でも思う。

でも、ありえない。どうしてこんなところにお姉さまが居るのか・・・そう、ありえない・・・。

「どうしてって・・・だって、パンフレットに載ってたんだもの。ちょっとした旅行に来たのよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そりゃそうだ。そういや女将さんも言っていた。今年はパンフレットにも載せたのだと。

そしてお姉さまはそれを見て、きっと自分と同じような事を考えたのだろう・・・と。

「ところで・・・私のせいではぐれちゃった、とか言ってたわよね。探さなくていいの?」

「はっ!!祐巳ちゃん!!」

セイはあまりの出来事にすっかりユミの事を忘れていた。

ユミの事だ。きっとどこかで不安がっているに違いない・・・。

「ほら、早く探しに行ってあげなさい」

「あ、でも・・・お姉さまは・・・」

セイがユミを探しに行くのをためらっていると、お姉さまは優しく微笑み言った。

「私は明日も居るから。旅館も一緒だし」

「ま、まさか・・・さっきの視線はお姉さま?」

セイは怪訝な顔でお姉さまの顔を覗き込む。

すると、お姉さまは悪びれた様子もなく、それも当たり、と言って仮面をつけ、

そのまま人ごみの中に消えて行ってしまった・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

セイはしばらく唖然としていたが、やがてユミの事を思い出し人ごみを掻き分け、ユミを探し始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「うっ・・・ひっく・・・せ・・・さまぁ・・・」

やっぱりウソだったんだ・・・こんな人ごみの中でたった一人を探し出すなんて事・・・。

ユミはそんな事を考えながら木の根元にうずくまり鼻をすすっていた。

ここでこうして泣いていると、何人かの人が声をかけてきた。

でも、それがセイではない事ぐらい、何故かユミにはすぐにわかった。

セイとは違う声、セイとは違う手・・・輪郭や耳の形・・・全てがセイとは違う。

毎日会っているからなのか、それとも好きだからなのかはわからないが、

こんな時はやけにレーダーが敏感になる。

どれぐらいの間ここでうずくまっていたのか、やがてまた1人こちらに向かってやってくる。

逆行で顔とかは全然見えないけれど、その人はただ黙って静かに手を差し伸べた・・・。

「せ・・・さま・・・?」

何故かユミにはその手がセイのものだと思った・・・。

だからそっと差し伸べられた手に自分の手を重ねると、ゆっくりと立ち上がる。

顔を確認しようとしても、相手は仮面をつけてるし、明かりが眩しくてよく見えない・・・と、

ここでようやく手の主が口を開いた。

「ごめんね?1人にして」

「あ・・・」

やっぱりセイだ!!ユミは勢いよくセイの首に腕を回し、声を上げて泣き出した。

セイもそんなユミの腰に腕を回しギュウっと力を込めて抱きしめる。

「もう、ど、どこ・・・行って・・・ひっく・・・」

「うん、ごめんね?不安にさせちゃったね」

「ほんと・・・ですよ・・・だか・・っく・・・場所・・・ひっ・・・きめとけば・・・っく」

そう、場所を最初から決めておけばこんな事にはならなかった。

でも・・・ユミの中には今不思議と嬉しい気持ちで一杯で・・・。

セイは約束どおりちゃんと見つけてくれた・・・そう思うと嬉しくてまた涙が零れる。

「ほんとにごめん・・・だからそろそろ泣きやんでよ?」

セイはユミの頭を撫でながら深い溜息を落とす。

本当はユミを探し出す自身なんて無かった・・・いっそ呼び出してもらおうかとも思った。

でも、もし自分が逆の立場なら・・・時間が経ってもいいから自分を見つけ出して欲しい・・・、

きっとそう思ったはずだ。だから必死になってユミを探したのだ。

今思えば携帯電話があったのだから、それで連絡をとれば好かったのだろうけれど・・・。

きっとそれじゃあ意味がないと思ったから・・・。

セイはユミの手を引っ張ると、広場から少し離れたところへと連れてゆく。

「祐巳ちゃん・・・これからもずっと一緒に居て・・・くれる?」

「あ・・・あたりまえです・・・それに・・・それはこっちのセリフです。もう・・・手を離さないで・・・下さいね・・」

「祐巳ちゃん・・・」

俯いて、涙声でそんな事を言うユミは愛しくてしょうがない・・・。

セイの中の何かが外れる・・・そんな気がした・・・。

「旅館・・・かえろっか?」

セイの問いにユミはコクリと頷く。そして・・・手をギュっとにぎってくるユミ。


もう離さないで・・・。そう言ったユミの顔が・・・今も頭から離れない・・・。




「ところで・・・聖さまどこ行ってたんです?」

ようやく泣き止んだユミはセイの顔を覗き込みながら突然そんな事を聞いてきた。

セイはすっかり忘れていたお姉さまの事を思い出して、全身の血がサーっと引いてゆくのがわかる。

「あー・・・祐巳ちゃん?あのね・・・明日ちょっと、祐巳ちゃんに紹介したい人が居るんだけど・・・いいかな?」

セイが困ったように突然そんな事をいうもんだから、思わずユミも身構えてしまう。

「い、いいですけど・・・聖さま・・・ここの島にご親戚か誰かいらっしゃるんですか?」

「いや・・・この島の人ではないんだけど・・・親戚・・・う〜ん・・・親戚といえば親戚のようなモノ・・・かな・・・」

「・・・それってどっちなんですか・・・」

「いや、だから、親戚みたいなもんだけど親戚じゃないっていうか!!親戚じゃないけど親戚みたいな・・・。

あーもう!!どっちでもいいよ、とにかく明日祐巳ちゃんをその人に紹介する!!もう決めたっ!!」

「私を紹介・・・するんですか?私に紹介してくれるんじゃなく?」

「もう!どっちでもいいよっ!!とにかく明日!!全部明日になってからのお楽しみっ!!!」

セイは半ばやけくそになってそう叫ぶと、ユミの手をグイっと引いて強引に唇を奪う。

仮面からのぞく妖しい瞳がユミを射抜くように見つめていた・・・。







思いがけず知り合いに会った。


話してる間中、思ってた。


キミを会わせたい・・・私の愛したキミを。


私の愛したキミだからこそ・・・。






今日のお題・・・は、このまま引き続き昨日のお題でよろしくお願いいたします。

新たに加わった聖のお姉さま・・・明日は一体どんな日になるのでしょうか。























幸せな日々   第七話